21.Oct.2002

優しさの反比例

writer:もとちか

 

 

 

和希主観、和希×啓太の『ラブラブ痴話げんか編』。とでも思っていただいて結構です。(笑)

Hシーンありますので嫌いな方はご注意を!

 

 

 

 

 

 

 

 啓太を救うために行った学園MVP戦で、俺の信じるとおり啓太が優勝した。

 俺が理事長の座をかけることで反対派を黙らせ開いた学園MVP戦は、周りから見れば無謀だと思われたかもしれない。

 しかし、俺には啓太が優勝することについて確証がなかったわけじゃない。

 俺は啓太の運の良さを知っていたし、啓太が優勝すると信じていた。

 さらに言えば、啓太が優勝できるようにMVP戦の考え得る手はすべて打っていた。

 そして、学園MVP戦で見事優勝を飾った啓太の退学勧告は取り消された。

 俺が理事長であることを啓太に打ち明け、遠藤和希は偽名で、本名を鈴菱といい、さらに一緒の学校へ行こうと約束した幼馴染のお兄ちゃんだということも告白した。

 告白は、もちろん、それだけじゃない。

 啓太と約束した日からずっと、啓太のことを考え、啓太のことを想い、啓太のことを愛してきたということも、言葉と体で思う存分に伝えることができた。

 そして啓太も、そんな俺の全てを受け入れてくれて……

 

 ――その日、俺たちは恋人同士になった。――

 

 恋人同士になった…はずなのに……

 あの日以来、啓太は抱かせてくれない。

 それどころか、まともにキスの1つもさせてくれない。

 せいぜい、頬におやすみのキスくらいだ。

 更に言えば、啓太は学生会によく顔を出し、手伝いをしている。

 王様も中嶋さんも人使い荒いし、とにかく啓太1人で学生会室に行かせるのは嫌なので、俺も一緒に付いて行ってるんだけど、啓太にはそこのところがわかっていない。

 学生会の仕事が暇になったら、今度は会計部へ行こうとまで言っている。

 啓太が誰とでも仲良くなれるのはいいんだけど、2人きりの道は遠い……

 

 

 

 日も暮れた放課後、学生会室から寮へ戻る途中の中庭は、ひっそりとして静かだ。

 楽しそうにしゃべり続ける啓太の声だけが辺りに響いている。

「…なんだって。それでさ、七条さんが生徒会室に顔を出したとき……」

「なぁ、啓太」

「なんだよ?」

 軽く聞き流す啓太が恨めしい。

 俺と啓太の想いには大きな隔たりがあるのかもしれない。

「好きだよ」

 こんなことしかできない俺も、相当にいかれていると思う。

「ばっ! ばかっ! こんなところで、そんな恥ずかしいこと言うなよ!」

 過剰反応する啓太の恥ずかしいという言葉に、敏感に反応してしまった。

「俺が啓太を好きなことが、そんなに恥ずかしいことなのか?」

 真っ赤になってうろたえる啓太の姿に、いつもだったら可愛いと思っているところだが、今日の俺は、そんな啓太の姿に憤りを感じている。

 いつもと様子の違う俺に、啓太の体がびくっと震え、不安そうな顔で見つめてくる。

「俺はお前に好きだと言葉にすることもできないのか?」

「和希?」

「俺たち、恋人同士じゃないのか?」

「どうしたんだよ?」

「啓太も俺のことが好きだと言ってくれた。あの言葉は嘘だったのか?」

「落ちつけよ、和希!」

 啓太が俺の首に抱きついてきて、頭をくしゃっと撫でてくる。

「啓太?」

「俺、お前のこと好きだって言ったよな」

 耳元でささやかれて、ああと頷く。

 啓太はよしっと言って、目を閉じ唇を寄せてきた。

「……………」

 いきなりのことに反応が遅れたが、待ちわびていた愛しい啓太の唇の感触に、むさぼるように深く唇を合わせ、積極的な啓太の甘くしっとりとした舌や口内を思う存分味わった。

 途中、崩れ落ちそうな啓太の体を支えて、その重みに確かな幸せを感じてしまう。

「お前、俺の言ったこと信じてなかったのか?」

 かすれて息の上がった色っぽい声。

 上気した頬と潤んだ瞳が無意識に俺をあおっていることさえ、きっと啓太は知らないのだろう。

「ほかの誰よりも、啓太のことは信じてる」

「だったら、どうしてあんなこと言うんだ?」

 啓太の真っ直ぐな目に見つめられると、正直に話さなくちゃいけないって気にさせられる。

 惚れた弱みとはよく言ったものだ。

「だって、啓太。…あれ以来、何もさせてくれなかったじゃないか」

 啓太は目をまんまるに大きく見開いて、それからとても優しい顔で微笑んだ。

「ばかだなぁ、和希」

「そうだな。俺はばかだよ」

 俺の全ては、啓太を守るためにあるんだってことを忘れていた。

 そして、俺は決して、啓太のことを裏切らないと誓ったはずだった。

 啓太の気持ちがどうなっても、俺の啓太に対する想いは永遠に変わらない。

「ごめん、啓太。俺…」

 両手で強く抱きしめると、啓太も俺を抱きしめ返してくれた。

 これだけのことでも、心が啓太に対する愛しさでいっぱいになる。

「俺、和希が好きだよ。俺が今抱きしめてるのは和希だよ」

「啓太…」

 優しい気持ちが心に沁みてくる。

「あのなぁ、和希」

「なに?」

「お前、するまえに、してもいい? なんて、いちいちお伺いたてられたんじゃ、俺だって、嫌だって言ってしまうだろ……」

「啓太、初めてのときは、嫌だって言わなかったじゃないか?」

「あ、あのときは…嫌かって聞かれたら、嫌だとは言えないじゃないか。それに、その、あんなことしたことなかったし、知らなかったから……素直にできちゃったんだよっ」

「やっぱり、辛かった?」

 初めての啓太に、理事長室の机にしがみつかせて、後から抱いてしまった。

「そんなの、辛いに決まってるじゃないか」

「ごめん、俺、結構無茶したもんな」

 突然の告白に混乱しているだろう啓太をほとんど考える隙も与えず、やってしまった記憶がよみがえる。

「だから、誤解するなよ! 俺、辛かったのも本当だけど、でも、嬉しかったのも本当だから…」

 啓太の腕がぎゅっと俺を抱きい締めてくる。

「お前が聞いてくるたびに、あの時のこと思い出しちゃって、俺、めちゃくちゃ恥かしいんだからな」

 上目遣いで拗ねたように見られて、でも、喜びが充満する。

「じゃぁ、ほんとは嫌じゃなかった? してもよかったんだ?」

「だ・か・ら! そういうこと、いちいち聞くなって言ってるだろっ!」

 俺は両手で啓太の頬を包み、ついばむようなキスを送った。

「わかった。これからは、有言実行じゃなくて、無言実行でいくよ、啓太」

 俺は啓太の腰を掴んで肩に抱きかかえる。

「うわっ! ちょ、ちょっと、和希っ! 何するんだよ!」

「おとなしくしてろよ。あんまり騒いでると他の人に目撃されるぞ」

 と、啓太の言動を抑制して、サーバー棟へ駆け出した。

 

 

 サーバー棟の周囲から視角となっている壁に取り付けられた黒いパネルを上げ、素早く指紋照合と暗証番号を入力すると、壁が開きエレベータが現れる。

 最上階の理事長室への直通で、俺と今では啓太の専用のシークレットエレベータとなっている。

 ベルリバティスクールの一学生と学園理事長を両立させるためには必要な設備だった。

 最上階に着くと、次々にセキュリティを解除していき、仮眠を取るためのベッドルームへ入ると、その上に啓太を横たえた。

「和希、乱暴すぎるよ」

 じっとおとなしくしていた啓太が、拗ねたように文句を言う。

「ごめんな、啓太。愛してるよ」

「和希…」

 啓太の髪を優しくかき揚げながら、じっくりと深く柔らかいキスをした。

 両手で、啓太の体を確認するように、余すところなく撫でていく。

「好きだよ、啓太」

「俺も…好き、和希が……」

 俺の手が啓太の大切なところを撫でた。

「ふっ…あっ……」

 啓太のベルトを外して、ズボンのボタンとジッパーを手早く下げ、下着の中に手を忍ばせる。

「……んっ…っく、ぁあ、ん…」

 俺の手の動きに合わせて、啓太の感じている声が聞こえる。

「いい…か?」

 耳元でささやきつつ、耳たぶを甘噛する。

「和希、ずるい…」

 俺は感じている啓太の姿が嬉しくて、もっと気持ちよくしてやりたいと手を伸ばした。

「啓太はここ、好きだったな」

 そう言って、空いてるほうの手で、胸の乳首の根元の縁を、なぞるみたいにして軽く掻く。

「あぅ…ん、そこ…」

「気持ちいい?」

「…はぁ、っう、うん……気持ち、いい…」

 啓太が身に付けていた服を全部はぎとり、いいところを探しながらじっくりと感じるままに愛撫を続けた。

 手のひら全体を使って、時には舌を使って。

「可愛いよ、啓太」

 俺の声に、啓太のものも一段と硬度を増した。

「はっ、や…いやだ、も…でる……」

 啓太の切羽詰った声に、一層の力をこめて、啓太自身を扱いた。

「いけ……啓太」

「はっ…うぅぁああああ……」

 全身を大きく波打たせ、啓太は俺の手の中で吐精した。

 素直に快楽を伝える啓太の声に、俺自身も高ぶっていた。

 荒い息を整えさせる間もなく、啓太の出したものを、奥にある蕾へと塗りこんでいく。

「あっ…そこ……だ、め…っくう」

 まだ若く硬い蕾は、指1本の進入さえ容易ではなかった。

 根気よく、丹念にほぐしていく。

 1本の指がスムーズに抜き差しできるようになると、枕もとにおいてあったローションを使って、2本の指を挿入してみる。

 指を抜き差ししているときに、ある一点を掠めたとき、啓太の体を大きな快楽が走ったようだった。

「ここ、か?」

「はぁ…んっく…そ、そこ…はぁああ」

 啓太の今までにない大きな声が、快楽の大きさを物語っていた。

 指を引き抜くと、服を脱ぎ去るのももどかしく、啓太の上に覆い被さる。

「啓太、力をぬいていろ」

 啓太の両足を肩に担ぎ上げ、一気に貫く。

「あっ、う…あっ、く、うぅっ……!!」

「啓太、大丈夫か?」

「…ん、っうん…平…気…」

 しばらくなじませると、ゆっくりと抽送を始めた。

「くっ…あ、う…」

 まだ、苦しそうな啓太の声に、少し萎えていた前をいじってやると、甘い吐息が漏れてきた。

 指で確認した啓太のポイントをゆっくりと丹念に攻めながら、快楽を引き出してやる。

「和…希……、そんな…も…っと…」

 たどたどしいながらも、啓太は俺の動きに合わせて腰を揺らしてくる。

 可愛らしい痴態に、ずくんとうずき、より大きくなったものが一層啓太を震わせた。

「やぁ…和希…の、大きく、なっ、ぁああ…」

 啓太の叫び声と同時に、中が締め付けられ、啓太に持っていかれそうになる。

「ぅっく…」

 射精させられるのをどうにか堪え、半分開いていた赤い唇を塞ぐ。

 啓太を大切にしたいと思っているのに、その思いが強くなれば強くなるほど、啓太を苦しめているのかもしれない。

「啓太…ごめん…」

 いったん抜き取りうつ伏せにすると、背後から腰を上げ、激しく腰を使った。

「あっ、い……ぁうっ、んっ…はぁ……」

 部屋の中は、快楽の嬌声と荒い息遣い、肉の擦れる音と液体の滑る音、ベッドの軋む音だけが響き渡っていた。

 

 

「…啓太。大丈夫か?」

 結局、啓太の意識を失わせてしまうほど激しく求めてしまった。

「大丈夫、って言いたいところだけど……和希めちゃくちゃだよ」

 シーツの中から出てこない啓太に対しては、ただただ、謝罪するしかない。

「ごめん。ずっと我慢してたから、その反動で…」

「何事にも、限度ってものがあるだろう! っ痛ったぁ〜!」

「大丈夫か、啓太!」

「もう、大丈夫じゃない!」

「ごめん」

「うぅ〜〜……やっぱり、俺、お前と付き合うの考えさせてもらう」

「えっ! 啓太、それだけは許して、お願い」

「冗談じゃなく、本当に辛いんだからな」

「うん。ごめん」

 愛しくて、シーツの上から頭を撫でる。

「俺だって、本当に啓太が大好きなんだ」

 俺の気持ちが伝わったのか、ちょとだけシーツから顔を出してくれた。

「……そんなこと、とっくにわかってるよ」

 このチャンスを逃すわけにはいかない。

 そっと、優しく労わるようなキスをした。

 啓太もそっと返してくれる。

「啓太。この世の誰よりも、啓太のことが好きだよ」

 俺の真実の言葉に、

「俺も、和希がいちばん好きだよ…」

 応えてくれる啓太がいてくれることが、俺の強運かもしれない。

 


〜END〜


(c)ぷろじぇくとK3, 2002

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